英ポンド/円相場は、122~124円を中心としたボックス相場を継続している。スペイン債務問題を手掛かりに7月26日には一時120.83円までポンド安・円高が進行するも、その後は欧州中央銀行(ECB)の政策対応期待が下値を支え、明確な方向性を打ち出せていない。リスク回避の投機マネーが英国債を物色する流れが継続する中、ポンド相場の下値不安も限定されている。ただ、ユーロ相場の不安定な地合が続く中、欧州不安に逆行してポンドを買い進むような動きも見られない。結果的に、最近のレンジ相場を踏襲する展開になっている。
8月2日にはイングランド銀行(英中央銀行)政策会合が開催される。4~6月期の国内総生産(GDP)が約3年ぶりの大幅なマイナスになったことで追加緩和を求める声も強くなっているが、今会合では政策据え置きがメインシナリオになる。7月会合では資産購入プログラムの規模が拡大されたが、当面は既存プログラムの景気に対する影響を見極めるステージになるだろう。政策金利も過去最低の0.50%で据え置きの可能性が高い。実際に政策の据え置きが決定されるとポンドに失望売りが膨らむ可能性があるが、大きな値動きに発展する可能性は低い。
むしろポンドの下振れリスクとして警戒すべきは、ユーロの動向になるだろう。8月1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)は景気判断を下方修正したものの、特に追加緩和策の発表などは行っていない。今後の緩和策に関しても従来の文言を踏襲するものに留まっている。マーケットのECBの政策対応に対する期待感剥落は進んでいるが、実際に対応力の欠如が露呈すれば、欧州売りの動きがユーロ同様にポンド相場の上値を圧迫することになるだろう。
今後1週間の予想レンジは、120.25~123.00円。